dice play

インデックスファンド、米国ETFを中心に、日米の個別株にもちょこちょこ投資(サイコロ遊び)をしています。

債券ETFのまとめ(東証ETF)


東証に上場している債券ETFをまとめました。
米国ETFのまとめ記事もありますので、あわせてご覧ください。
dice.hatenadiary.jp


下図はそれぞれのETFの投資対象を示しています。(2023年4月1日更新。クリック・タップして拡大)

債券ETFのまとめ(東証上場)


図の読み方を少し説明します。
「日本」の「固定利付国債」の枠内に2561と書かれています。これは銘柄コード2561のETFが日本の固定利付国債に投資することを表しています。
アメリカ」「固定利付国債」に「2620F(1-3)」と書かれています。2620は銘柄コード。Fは為替ヘッジなし(Hなら為替ヘッジあり)。1-3は償還(元本返済)までの残存期間1年以上3年未満を表します。


目次


東証ETFの特徴

東証に上場している債券ETFのラインナップを見ると、やけにアメリカの7-10年国債に投資するETFが充実しています。ブラックロック、野村、三菱UFJ国際投信の3社がETFを出しています。

また、ブラックロックががんばって、米国ETFと同等のETF東証に上場しています。(下表参照)

東証ETF 米国ETF 投資対象
1482H/1656F IEF 米国債(償還残存期間7年以上10年未満)
1496 LQD 米ドル建て投資適格社債
1497 HYG 米ドル建てジャンク債
2620 SHY 米国債(償還残存期間1年以上3年未満)
2621 TLT 米国債(償還残存期間20年超)
2622 EMB 新興国国債

そのため、償還残存年数別に分かれたアメリカの国債ETFが売買できます。

残存年数を利用した取引として、今アイディアが一つ浮かびました。
普通は年限の長い債券ほど金利が高くなるはずですが、今は米国債の10年利回りが2年債利回りより低いという逆転現象が起きています。
将来これが正常化する、つまり10年債の利回りが上がり(価格は下がり)、2年債の利回りが下がる(価格は上がる)ことを見越して、2620を買って1656を空売りするなんてやり方が一案です。
(ド素人の思いつきですので、おすすめしません。)

米国債利回りの差(上段)、米国債(1-3年)ETFの価格(中段)、米国債(7-10年)ETFの価格(下段)

まあ、個人投資家の目線では、アメリカ国債を丸ごと買いたいときに、残存年数の違うETFをいちいち組み合わせて買いたいとは思わないでしょう。
アメリカ国債全体に投資できるETF(GOVT)を上場してもらいたいです。


日本の市場だから日本の債券ETFが充実しているかというと全然そんなことはありません。
国債のみのETF(2561)と社債などを含むETF(2510)だけです。
今は日銀がイールドカーブコントロールで、短期金利を-0.1%、10年国債金利を0%にピン留めしていると聞いています。
仮に残存年数別の日本国債ETFが出ても同じような値動きになったことでしょう。


東証ETF独自の銘柄

SBI証券で取り扱っている米国ETFでは投資できないが、東証ETFだと投資できる債券があります。

こちらは、FTSE WGBI(除く日本・為替ヘッジあり)を基本にしつつも、気候変動へのリスクの低い国に大きく傾斜配分したETFです。
アメリカのウェイトを下げて、ヨーロッパのウェイトを上げています。*1

気候リスクを調整する前の指数に連動する商品としては、2512(NEXT FUNDS 外国債券・FTSE世界国債インデックス(除く日本・為替ヘッジあり)連動型上場投信)があります。
また、非上場の為替ヘッジ付き外国国債インデックスファンドの多くがFTSE WGBI(除く日本・為替ヘッジあり)を連動目標としています。

米国ETFのIEIが2856と同等ですが、SBI証券ではIEIを取り扱っていません。

  • 2843 上場インデックスファンド豪州国債(為替ヘッジあり)
  • 2844 上場インデックスファンド豪州国債(為替ヘッジなし)

オーストラリアの国債だけに投資するETFです。詳しくは、東証マネ部!の「銘柄組成の思い」ページが参考になるかと思います。

2857、2245ともにドイツ国債に投資しますが、2857は幅広い年限が対象になるのに対し、2245は残存年数7年以上10年未満に限定されます。
2857は7-10年国債を16%保有しています。(2023年3月末現在)

2861,2862,2246はいずれも残存年数7年以上10年未満のフランス国債に投資します。

ユーロ建ての投資適格社債。当然フランス、ドイツなどヨーロッパの社債が多数組み入れられていますが、アメリカの企業も19%組み入れられています。(2022年10月末現在)

アジア8地域(中国、香港、インドネシア、韓国、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ)が組み入れられています。
先進国(シンガポール)と新興国(中国など)が同居する独特な指数に連動します。
国債に加え準政府機関が含まれるのも独特です。(国債が7割強、準政府機関は3割弱)
自国通貨建て債券が投資対象です。


新興国債券はややこしい

新興国債券に関連するETFが複数ありますが、まず自国通貨建てと米ドル建てに分類できます。
自国通貨建てETFと米ドル建てETFとの間に組入銘柄の重複はありません。

自国通貨建て

1677,2511,2512のベンチマークであるFTSE WGBI(世界国債指数)には新興国が一部含まれます。(中国、メキシコ、マレーシア、ポーランド
そのため、中国とマレーシアについては、1566(上場インデックスファンド新興国債券)、1349(ABF汎アジア債券インデックス・ファンド)と若干重複があります。
また、1566と1349との間にも重複があります。(中国、フィリピン、韓国、マレーシア、タイ、インドネシア
一方、1566は新興国を幅広く含むので、WGBIがカバーしていない国も含まれます。(ブラジル、南アフリカなど)

1677(上場インデックスファンド海外債券(FTSE WGBI)毎月分配型)の国別構成比
1566(上場インデックスファンド新興国債券)の国別構成比
1349(ABF汎アジア債券インデックス・ファンド)の国別構成比
米ドル建て

新興国の中でも信用力の劣る国は自国通貨建てで国債を発行できず、米ドル建ての国債を発行せざるを得ないことがあります。
米ドル建ての新興国国債ETFは2つあります。

2519と2622の違いは準ソブリン債(公営企業等が発行した債券)を含むかどうかです。
2519は国債のみ、2622は準ソブリン債も含まれます。*2

自国通貨建ての新興国国債ETFである1566(上場インデックスファンド新興国債券)とは国の顔触れがだいぶ異なります。
1566の組入比率の上位5か国は韓国、マレーシア、インドネシア、中国、ブラジルです。
2622の組入比率の上位5か国はメキシコインドネシアサウジアラビア、トルコ、アラブ首長国連邦です。

2519(NEXT FUNDS 新興国債券・J.P.モルガン・エマージング・マーケット・ボンド・インデックス・プラス(為替ヘッジなし)連動型上場投信)の国別構成比
2622(iシェアーズ 米ドル建て新興国債券 ETF(為替ヘッジあり))の国別構成比

まとめ

この記事では債券を投資対象とする東証ETFをまとめました。
東証ETF、米国ETFどちらでも取引できる銘柄については、手数料や取引のしやすさなどを考慮して、都合の良いほうを選択すれば良いと思います。
東証ETFでしか取引できない銘柄もあるので、有効活用できると思います。
新興国債券関連の東証ETFはいくつかありますが、自国通貨建てか米ドル建てか、国債だけか他の政府機関も含むのか、といった違いがあります。


変更履歴

2022年12月11日 初版公開
2023年4月1日  2245(ドイツ国債)、2246(フランス国債)を追記(2023年4月26日上場予定)



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