2022年2月21日、ロシアはウクライナ東部の独立を承認しました*1。
北京五輪の閉会が2月20日でしたから、閉会を待っての行動とみられます。
また、24日からロシア軍がウクライナへ侵攻しました。
これを受けてロシア株ETFであるERUS(iシェアーズ MSCI ロシアETF)は大暴落しました。
また、東証に上場しているロシア株ETFである1324(NEXT FUNDS ロシア株式指数・RTS連動型上場投信)は、設定・解約を中止した(口数の増減ができなくなった)ため、市場価格と基準価額(本来の価格)の乖離を抑えることができなくなり、2月25日の終値が基準価額より65.1%割高に取引されました*2。
Vanguard Total World Stock ETF (VT)に占めるロシア株式の割合は2022年1月末時点で0.3%でした*3。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)に占めるロシア株式の割合も2022年1月末時点で0.3%程度と推定されます。eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の最新の月報(2022年1月末時点)を見ると、新興国株式の割合は11.5%でした。また、eMAXIS Slim 新興国株式インデックスの2.8%がロシアでした。
全世界債券ETFであるVanguard Total World Bond ETF (BNDW)に占めるロシア債券の割合は2022年1月末時点で0.2%でした*4。楽天・全世界債券インデックス(為替ヘッジ)ファンドも同様の組入比率と推察されます。
FTSE世界国債指数(WGBI)にロシアは含まれないため、外国債券インデックスファンドへの影響はありません。しかし、新興国債券インデックスファンドではロシアが含まれます。
日米政府が、ロシア政府による新たな国債や政府機関債など「ソブリン債」の発行・流通禁止を発表しました。これにより新発債が組み入れられなくなり、ロシアの組入比率は徐々に減っていく見込みです。
米の制裁、ロシア政府債の取引制限を拡大 短期的影響は限定か | ロイター
情報BOX:対ロシア制裁、ソブリン債への影響どこまで深刻か | ロイター
ロシア「ソブリン債」への制裁措置、投信の運用に制限も: 日本経済新聞
VTやBNDWへのウクライナの組み入れは確認できませんでした。
米英EUがロシアに制裁を発表したことを受けて、MSCIは2022年3月1日に予定していたロシア株式指数への変更(3銘柄の株数の変更)を凍結することを発表しました。
Russia - Ukraine Conflict - MSCI
FTSEは制裁への対応を検討中としています*5。
今は投資信託を通じて個人でも簡単に全世界の株式や債券へ投資できます。そして今、ロシアへ投資している人々は流動性リスクやカントリー・リスクに直面しています。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の目論見書にはこんな記述があります。
流動性リスク
有価証券等を売却あるいは取得しようとする際に、市場に十分な需要や供給がない場合や取引規制等により十分な流動性の下での取引を行えない場合または取引が不可能となる場合、市場実勢から期待される価格より不利な価格での取引となる可能性があります。
カントリー・リスク
新興国への投資は、先進国への投資を行う場合に比べ、投資対象国におけるクーデターや重大な政治体制の変更、資産凍結を含む重大な規制の導入、政府のデフォルト等の発生による影響を受けることにより、価格変動・為替変動・信用・流動性の各リスクが大きくなる可能性があります。
私のポートフォリオの過半は全世界株式インデックスファンドが占めていますので、ロシア・リスクと無縁ではありません。目論見書のリスクの記述を改めてかみしめたいと思います。
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*1:ロシア、ウクライナ東部の分離独立派支配地域を国家承認(ウクライナ、ロシア) | ビジネス短信 - ジェトロ
*2:https://nextfunds.jp/data/2022/tc_220225d.pdf
*3:https://investor.vanguard.com/etf/profile/portfolio/vt
*4:https://investor.vanguard.com/etf/profile/portfolio/bndw
*5:https://research.ftserussell.com/products/index-notices/home/getnotice/?id=2603423