dice play

インデックスファンド、米国ETFを中心に、日米の個別株にもちょこちょこ投資(サイコロ遊び)をしています。

オルカンの先へ フロンティア市場への株式投資

 

ごぶさたしてます。dice playです。
「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(いわゆるオルカン)は「全世界」と言いつつ、投資できていない国があります。フロンティア市場やスタンドアローン市場に分類される国々です。

 

目次

 

フロンティア市場とは

フロンティアとされる国々には株式市場があるものの、外国人投資家への規制が厳しいなど、新興国以上に未成熟という制約があります。
フロンティア市場の規模はオルカンの約500分の1とわずかです*1。フロンティア市場に分類される国々としてはベトナムルーマニアなどがあります。

 

FMが上場廃止

これまではアメリカに上場している「iシェアーズ フロンティア & セレクトEM ETF」(以下、FM)によりフロンティア市場への株式投資ができました。
しかし、FMの運用が終了することになりました。2024年6月の段階ですでに株式への投資割合が純資産総額の2割を切っており、ほとんど現金化されています。

FMは指数に連動する運用に苦労していたように見えます。
昔は連動目標がMSCI Frontier Markets 100 Indexで、純然たるフロンティア市場への投資ができました。しかし、2021年に連動目標がMSCI Frontier and Emerging Markets Select Indexに切り替わり、一部の新興国も投資対象となりました。さらに2023年には特定の指数への連動を目指さない、アクティブファンドになってしまいました。

 

代替ファンド

フロンティア市場へ投資するファンドはほとんどありませんが、三井住友DSアセットマネジメントが運用する「グローイング・フロンティア株式ファンド」がほぼ唯一の代替候補として挙げられます。

下図は同ファンドとMSCI Frontier Markets Index*2の国別構成比を表しています。(2024年7月末現在)

「グローイング・フロンティア株式ファンド」の国別構成

上位5か国で全体の6割強を占めることは両者共通ですが、同ファンドのベトナムの組み入れ比率が指数よりやや多いのは特徴的です。
「グローイング・フロンティア株式ファンド」は主にフロンティア市場に投資しますが、フロンティア諸国の業績寄与が高い先進国、新興国の企業の株式にも投資します。


下図は同ファンドとMSCI Frontier Markets Indexとを業種別に比較しています。(2024年7月末現在)

「グローイング・フロンティア株式ファンド」の業種構成

同ファンドは指数に比べて金融セクターの組み入れ比率が多いのも特徴的です。

 

下図はFMと「グローイング・フロンティア株式ファンド」の基準価額を比較しています。

FMと「グローイング・フロンティア株式ファンド」の基準価額(分配金再投資、円換算)

「グローイング・フロンティア株式ファンド」は設定以来6年間、FMと比べてパフォーマンスが振るいませんでしたが、今年に入り好調です。

 

「グローイング・フロンティア株式ファンド」の総経費率は2.16%でした。うち投資先ファンドの費用が1.02%、販売会社の信託報酬が0.77%でした。

「グローイング・フロンティア株式ファンド」の純資産総額は設定当初一年間は右肩上がりだったものの、以降右肩下がりで、勢いがありません。10億口を下回ると繰上償還の可能性がありますが、2024年9月現在19億口で踏みとどまっています。

「グローイング・フロンティア株式ファンド」における特に注意すべきリスクとして、カントリーリスク及び外国税制があります。交付目論見書にはこう書かれています。

「投資先がフロンティア諸国等の場合、その証券市場は先進国の証券市場に比べ、より運用上の制約が大きいことが想定されます。また、先進国に比べ、一般に市場規模が小さいため、有価証券の需給変動の影響を受けやすく、価格形成が偏ったり、変動性が大きくなる傾向が考えられます。」

 

「投資対象国によっては、当該国外で設定されたファンドが有価証券の売買を行う際の売買益等に対して課税される場合があります。将来、これらの税率や課税方法が変更された場合、または新たな税制が適用された場合、基準価額に影響を及ぼすことがあります。」

「グローイング・フロンティア株式ファンド」のボラティリティは約15%であり、オルカンボラティリティ約20%より低くなりました。これは意外です。

 

まとめ

オルカンでも投資対象にしていない、フロンティア市場へ投資するファンドとして、従来は「iシェアーズ フロンティア & セレクトEM ETF」がありましたが、実質的に運用を終了しています。代替として、三井住友DSアセットマネジメントの「グローイング・フロンティア株式ファンド」があります。フロンティア市場の規模はオルカンの約500分の1ですので、時価総額に応じて投資するとしてもオルカン百万円につきフロンティア株2千円くらいとなります。

 

 

 

ブログランキングに参加しています。下のバナーを押して応援いただけるとありがたいです。(バナーを押すとブログランキングに飛びます。)

にほんブログ村 株ブログへ
にほんブログ村


金融・投資ランキング

*1:2024年7月末現在、MSCIのfact sheetによると、MSCI Frontier Markets Indexの時価総額が121,574.36百万米ドル、MSCI ACWIの時価総額が74,868,966.24百万米ドル

*2:「グローイング・フロンティア株式ファンド」にベンチマークはありませんが、月報ではMSCI Frontier Markets 100 10/40 Indexを参照しています。