投資対象が同じファンドをいくつも持つ意味
投資対象が同じファンドをいくつも持つ意味はあるのでしょうか。
数年前、インデックスファンドの主軸はMSCIコクサイ指数連動ファンドでした。値下げ競争が盛んであり、A社から0.1ポイント安いファンドが出たと思ったら、B社からさらに0.1ポイント安いファンドが出た、なんてことがありました。こういうとき、すでに持っているファンドを全部売って新しいファンドを買い直すか、そのまま持ち続けるかは悩ましいものがあります。
保有するファンドを一本に絞るのは資産管理がシンプルになるというメリットがあります。一つのファンドの損益だけ見ていればいいですし、売買注文も一本だけでいいので楽ちんです。
こうなると、とにかく信託報酬が最安のファンドに乗り換え続けるのが最善となります。
下図は外国株式インデックスファンドについて、横軸に信託報酬、縦軸に10年リターンをとって、プロットしたものです。*1
きれいな右肩下がりの関係があり、信託報酬が高いほどリターンが低いことが読み取れます。
同じ指数に連動するファンドをいくつも持つのは無意味なのでしょうか。私はそんなことはないと思います。信託報酬が今や0.1%台まで下がってきたことで、運用の巧拙がパフォーマンスに影響を及ぼす度合いが高まってきているといわれています。信託報酬が最安のファンドが必ずしも最高のパフォーマンスを挙げるとは限らないというわけです。
私は、全世界株式インデックスファンドを投資の主軸に置いており、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(オルカン)だけでなく、Vanguard Total World Stock ETF (VT)、「たわらノーロード 全世界株式」なども持っています。
もともとは保有ファンドを一本に絞っていたのですが、複数ファンドを持つように考えを改めました。いわば「ファンドの分散投資」です。
ただし、積み立て買い付けをしているファンドは一本だけです。注文の入力がめんどくさいためです。
一つの運用会社が商品設計の同じファンドを複数販売していることがあります。例えば、三菱UFJ国際投信はオルカンのほかに「つみたて全世界株式」を販売しています。いずれもマザーファンドは同じです。
このような場合は、信託報酬が安くて純資産額の多いファンドだけでいいと思います。
私はインデックスファンドのマニアですので、ファンドの分散に思い至りました。しかし、他人に勧める気にはなりません。管理が煩雑になるわりに得られるものが少ないです。
山崎元氏は「広く分散された対象に投資するファンドを一本買えばいい。」と主張しています。
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