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インデックスファンド、米国ETFを中心に、日米の個別株にもちょこちょこ投資(サイコロ遊び)をしています。

「EXE-i グローバル中小型株式ファンド」からSBI・Vシリーズへの乗り換えを検討する

 

「SBI・V・米国小型株式インデックス・ファンド」と「SBI・V・世界小型株式(除く米国)インデックス・ファンド」が2023年6月に新規設定されます。
類似ファンドである「EXE-i グローバル中小型株式ファンド」からの乗り換えを検討してみます。

 

目次

 

「EXE-i グローバル中小型株式ファンド」の概要

「EXE-i グローバル中小型株式ファンド」は世界の小型株株式へのパッシブ投資ができるファンドです。

VB(米国小型株ETF)とVSS(米国を除く世界の小型株ETF)に6:4の比率で投資しています。
この比率はFTSE Global Small Cap Indexにおける米国株と非米国株の比率を参考に設定されています。(Factsheetによると、2023年3月末現在、同指数の米国株比率は60.05%)

「EXE-i グローバル中小型株式ファンド」はFTSE Global Small Cap Indexへの厳密な追従を目指していません。そのため、この指数をベンチマークではなく「参考指標」と位置付けており、EXE-iシリーズとしてもインデックスファンドを標ぼうしていません。

参考指標からのかい離要因として下記が挙げられます。

  • VB(米国小型株ETF)のベンチマークがFTSE社でなくCRSP社の指数であり、小型株の定義が異なること。
  • 基本投資割合の見直しが原則として年一回に限られること。

「EXE-i グローバル中小型株式ファンド」の信託報酬は0.253%(税抜0.23%)、投資先のETFの経費率が0.058%、事後的にわかる費用が0.02%程度、計0.31%程度となっています。

つみたてNISAの適格ファンドです。(アクティブ運用のカテゴリー)

「EXE-i グローバル中小型株式ファンド」のしくみ

 

SBI・Vシリーズから新ファンドが登場

SBI・Vシリーズから、VBを買うだけのファンドとVSSを買うだけのファンドが登場します。(2023年5月9日プレスリリース
2023年5月25日より募集を開始し、6月8日に設定・運用を開始します。
ファンドの費用は0.0638%(税抜0.058%)で、これに加えてETFの費用がかかります。

「EXE-i グローバル中小型株式ファンド」からSBI・Vシリーズの二つのファンドに乗り換えると、ファンドの費用が0.253%から0.0638%になり、0.1892ポイント節約できます。

ただし、リバランスを自分でする、またはリバランスの作業を放棄するという割り切りが必要になります。

また、ファンドの数が米国とそれ以外で二つに分かれるので、管理が煩雑になります。(逆に、ファンドが米国とそれ以外に分かれることによって、それぞれのパフォーマンスが認識しやすくなるというメリットもあります。)

信託報酬が4分の1になるので、預かり資産を4倍以上にしたいとの願望が商品提供側にはあると憶測します。
「EXE-i グローバル中小型株式ファンド」はSBI証券iDeCoに採用されており、安定的な資金流入が見込まれるが、いきなり資金流入が4倍にはならないと思われ、SBI・Vシリーズを別途立ち上げることにしたのではないかと推測します。
加えて、米国株にしか興味がない投資家の需要も取り込めるよう、VBとVSSのバラ売りにしたのではないかとも推測します。

SBI・Vシリーズのしくみ

 

直接ETFを買うより有利な場合

SBI証券の場合、VBとVSSを直接売買できますが、売買時に約定代金の0.495%(上限22ドル)の手数料がかかります。
一方、「EXE-i グローバル中小型株式ファンド」やSBI・Vシリーズは売買時に手数料はかからないものの、保有期間中は信託報酬がかかります。

そのため、VBとVSSを直接買ったら4年以上持ち続けないと「EXE-i グローバル中小型株式ファンド」より割高な手数料を払うことになります。(売買手数料が上限に達しない、すなわち約定代金が4,444ドル以下の場合)

SBI・Vシリーズの信託報酬はEXE-iの約4分の1なので、VBとVSSを直接買ったら16年以上持ち続けないとSBI・Vシリーズより割高になります。

なお、この計算には為替手数料を加味していないので、これを考慮するともっと長い期間持つ必要があります。

 

また、ETFは必ず分配金を出しますが、投資信託は必ずしも分配金を出さないため、課税を繰り延べられます。

加えて、米国ETFでは米ドルの保有が避けられないのに対し、投資信託は日本円で売買するので、米ドルの為替差損益の雑所得のややこしい計算を回避できます。

さらに、米国ETFでは為替手数料と売買手数料が別々に取られるうえに、手数料をきちんと把握するには自分で記録する必要があるため、いくら手数料を払っているのかわからなくなるのに対し、投資信託は運用中の手数料が基準価額に織り込まれているため、ファンドの損益のみ見ておけばいいです。

 

以上より、直接VBやVSSを買うより投資信託を買うほうがメリットが多いと考えています。

 

小型株へ投資する意義

MSCI ACWIは大中型株に投資しますが、小型株は対象外です。
小型株にはインデックス運用の資金が流入しにくいのではないかと考えています。
また、小型株は売買高が少ないために値が飛びやすく、アクティブ運用の資金も流入しにくいと考えられます。

しかし、投資資金を欲しているのは小型株と思われ、小型株に資金が流入したほうが世界経済の成長に寄与すると私は考えています。
そのため、「EXE-i グローバル中小型株式ファンド」を買うことによって、小型株に時価総額比率よりも大きな比重をかけたポートフォリオにしています。

投資方法は人それぞれなので、実績の伴わない小型株に投資魅力はないとか、投資対象を厳選したいとかいった考え方に基づき、上澄み(大型株)にだけ投資するのが良いという考え方もあるでしょう。

下図は2009年4月(VSSの設定時期)に、VBとVSSを6:4の比率で買った場合(リバランスなし)とACWI ETFを買った場合のトータルリターン(分配金再投資価格)を示します。(出所:Portfolio Visualizer)
この表示期間では、小型株(青)のほうが大中型株(赤)よりもパフォーマンスが良かったことが見て取れます。

小型株と大中型株の比較

私は「EXE-i グローバル中小型株式ファンド」を直ちに売ろうとは思わないものの、新規買い付けはSBI・Vシリーズに変えようかなあと思っています。
新規設定ファンドは当初、運用が不安定になりがちなことを念頭に置いた考えです。

 

 

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