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インデックスファンド、米国ETFを中心に、日米の個別株にもちょこちょこ投資(サイコロ遊び)をしています。

東証市場再編が全世界株式インデックスファンドに与える影響

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2022年4月4日(月)東京証券取引所の株式市場区分が再編されました。
これまで、東証の市場区分は一部、二部、マザーズJASDAQ(スタンダード、グロース)でした。
これが、プライム、スタンダード、グロースに変わりました。
この東証再編が全世界株式インデックスファンドに与える影響を調べました。

FTSE指数

FTSEの世界株式指数の算出方法書を読むと、指数の対象になるのは従来、東証一部、二部に上場する銘柄でした。
これからは東証プライム市場、スタンダード市場になります。

JASDAQから新スタンダード市場に移行した銘柄は新たに指数の対象になりえます。

FTSEの世界株式指数を参照しているファンドとしては、Vanguard Total World Stock ETF (VT)や、VTを買うだけファンドである「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」などがあります。
「EXE-i グローバル中小型株式ファンド」もVanguard FTSE All-World ex-US Small-Cap ETF (VSS)を通して日本の小型株に投資しているので、市場再編の影響を受けます。

参考:FTSE Global Equity Index Series Ground Rules (2022年3月版及び2022年2月版)

MSCI指数

MSCIの世界株式指数の算出方法書を読むと、これまで指数の対象になるのは、東証一部、二部、マザーズ、PRO、JASDAQ名古屋証券取引所第一部、第二部、セントレックスでした。
これからは、東証プライム市場、スタンダード市場、グロース市場、PRO、名古屋証券取引所プレミア市場、メイン市場、ネクスト市場になります。

なお、現時点の方法書では名証第一部、第二部、セントレックスと書いてありますが、名証東証と同時期に市場再編を実施したことから、単に更新漏れでしょう。
東証名証の株式全体が指数の対象になることは再編前後で変わらないため、対象銘柄数は変わらないはずです。

MSCIの指数を参照しているファンドとしては、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(以下、オルカン)やiShares MSCI Japan ETF (EWJ)などがあります。

参考:MSCI Global Investable Market Indexes Methodology(2022年4月版及び2022年2月版)

比較

MSCIの指数のほうが対象とする市場が多いです。特に、MSCIの指数は東証グロース市場を対象に含めているのに対し、FTSEの指数は対象外にしているのは大きな違いだと思います。

しかし、オルカンは小型株を除くMSCIの指数を使っているため、小型株の多い東証グロース市場からオルカンに組み入れられる銘柄はほとんどありません。
4月7日現在のiShares MSCI Japan ETF (EWJ)の構成銘柄(260銘柄)のうち、東証グロース市場の銘柄はメルカリのみです。(メルカリはプライム市場への変更を申請中。)
ちなみに、EWJの構成銘柄で東証スタンダード市場の銘柄は3銘柄のみ(日本オラクル日本マクドナルドホールディングス大正製薬ホールディングス)です。

VTは小型株を含むかわりにFTSEの指数を使っているため、東証グロース市場の銘柄は組み入れられません。

「EXE-i グローバル中小型株式ファンド」で東証グロース市場が含まれない(旧東証マザーズ市場も含まれていなかった)ため、小型株に多めに投資したいと考える人にとっては、東証マザーズ ETF(2516)も併せ持ちして「EXE-i グローバル中小型株式ファンド」を補完するという考え方もありえるでしょう。
東証マザーズ指数は2023年10月最終営業日に東証グロース市場250指数(仮称)へ指数名の変更を予定している*1ことから、2516も自然体でグロース市場に移行すると思います。

まとめ

指数算出会社 市場再編前 市場再編後
FTSE 東証一部、二部 東証プライム、スタンダード
MSCI 東証一部、二部、マザーズ、PRO、JASDAQ名証第一部、第二部、セントレックス 東証プライム、スタンダード、グロース、PRO、名証プレミア、メイン、ネクス