dice play

インデックスファンド、米国ETFを中心に、日米の個別株にもちょこちょこ投資(サイコロ遊び)をしています。

世界株式の業種別の相関関係


資産配分を考えるとき、地域の配分をどうするかがよく個人投資家の間で議論されます。
例えば、全世界株式と米国株式のどちらがいいかが論争になります。
しかし、地域の配分よりも業種の配分のほうが重要なのではないかと疑問に思いました。
というのも2021年までは空前のハイテク株ブームでしたが、2022年以降高配当株がじわじわ来ている気がしています。
セクターローテーションが起きていると感じるのです。

 

目次

 

調べ方

ブラックロックが世界株式の業種別ETFを米国に上場していますので、これを使います。

dice.hatenadiary.jp

Yahoo! Finance アメリカ版で各ETFの配当調整済み終値(週次)をダウンロードしました。

Yahoo Finance - Stock Market Live, Quotes, Business & Finance News

週末終値の対数変化率を算出し、相関係数を計算しました。

 

相関係数は二つのデータがどの程度似た動きをするかを表す統計学の指標です。
相関係数は-1から+1をとります。
-1は完全な逆相関(あるETFが上がるともう一方のETFが必ず下がる)、
+1は完全な純相関(あるETFが上がるともう一方のETFが必ず上がる)、
0は無相関(二つのETFの値動きが完全に無関係)です。
私は、0.5を超えたら相関がやや強い、0.7を超えたら強いとみなしています。

 

2006年10月から2023年2月までの16年強の週次データを使いました。
リーマンショックを含むデータです。
不動産セクターについては長期のデータが得られるETFがなかったので、不動産だけ世界ではなく米国を用いました。

 

結果

下図は世界株式の相関係数を業種別に示します。

世界株式の業種別相関係数(2006年10月~2023年2月)

+0.5を下回る業種の組み合わせがあることを期待しましたが、予想に反し、どの組み合わせも+0.5を超えるやや強い相関関係がみられます。真っ赤っかです。
その中でも相関係数が比較的小さい組み合わせは世界エネルギー株と米国不動産株でした。(相関係数+0.53)
次に小さい組み合わせは世界エネルギー株と世界ヘルスケア株でした。それでも相関係数は+0.59でした。
相関係数が一番強かったのは世界資本財株と世界一般消費財株でした。(相関係数は+0.92)

 

株式、債券、商品の相関係数を下図に示します。

主な資産の相関係数(2006年10月~2023年2月)

株式はどの地域の組み合わせでも+0.7を超える強い相関係数になりました。
一方、株式と債券、株式と商品の組み合わせは相関係数が+0.5を下回り、相関はあまりないことがわかりました。

 

参考までに、リスク(ボラティリティ)・リターンの図も載せておきます。

世界株式の業種別リスク・リターン(2006年10月~2023年2月)

主な資産のリスク・リターン(2006年10月~2023年2月)

 

まとめ

世界株式を地域別に分けると、相関係数は+0.7を超え、強い相関がみられました。
世界株式を業種別に分けても、相関係数は+0.5を超え、やや強い相関が業種間でみられました。中には+0.9を超える強烈な相関のある業種の組み合わせもありました。
ただ、相関係数が+0.7未満の業種の組み合わせがいくつもみられるので、業種別の配分を工夫すれば、地域別の配分よりも多少は強い分散効果を得られるかもしれません。

また、株式と債券、株式と商品の相関係数は+0.5を下回り、相関が弱いことがわかりました。
株式の中で地域や業種の配分を考えるより、株式と債券、株式と商品という組み合わせを考えるほうが、より強い分散効果を得られると思います。

 

余談

ブラックロックの業種別世界株式ETFのティッカーはIX?または?XIになっています。(?にはアルファベット1文字が入ります。)
これまで法則性がわかりませんでした。
今回調べる中で、IX?は2001年設定、?XIは2006年設定のETFだとわかりました。
もしかしたら、2001年に設定しなかった業種別ETFを2006年に設定する際、IXで始まるETFがすでにあって、やむなく?XIにしたのかなと思います。

 

 

 

ブログランキングに参加しています。下のバナーを押して応援いただけるとありがたいです。(バナーを押すとブログランキングに飛びます。)

にほんブログ村 株ブログへ
にほんブログ村


金融・投資ランキング