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インデックスファンド、米国ETFを中心に、日米の個別株にもちょこちょこ投資(サイコロ遊び)をしています。

仕組預金「コイントス」は誰得なのか

住信SBIネット銀行の仕組預金「コイントス」は、預け入れた円が外貨で払い戻されるリスクがある代わりに高金利が得られるという商品です。

www.netbk.co.jp


以前の記事でコイントス損益分岐点(対1か月ものの定期預金)を検討しました。

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金利が コイントス>外貨定期預金>円定期預金 の関係にあるとき、預け入れた頃より円安に進むと外貨定期預金が有利、為替レートがほぼ変わらなければコイントスが有利、円高に進むと円定期預金が有利になることがわかりました。

2020年7月14日に募集を締め切ったコイントスについては、1米ドル107.00~107.56円の範囲が(1か月ものの定期預金と比べて)最も有利になります。
(参考:年利率は、特約通貨が米ドルのコイントスが4.0%、1か月ものの米ドル定期預金が0.10%、1か月ものの円定期預金が0.02%)
現在、30万円を預け入れると500ポイントもらえるキャンペーンが行われています。
これを2.0%(=500/300,000*12)の金利上乗せとみなすと、最も有利になる範囲は1米ドル106.85~107.70円に広がります。
100万円を預け入れると3000ポイントもらえる(年利3.6%相当)ことから、この場合最も有利になる範囲は1米ドル106.74~107.81円まで広がります。
とはいえ、特約レート決定日(7月15日)は1米ドル106.68~107.32円、2020年6月は106.08~109.86の範囲で動きましたから、コイントスが有利となる為替レートの範囲は狭いことがわかります。

コイントスを避けるべき場合

コイントスが有利になる為替レートは狭いので、相場急変時には手を出さない方がよいと思います。
住信SBIネット銀行では為替チャートが見られますので、月足にしてみたり、ボリンジャーバンド(値動きのブレ幅を示す)をみたりして値動きが大きくないか確認してみるとよいと思います。
また、南アランドのような高金利通貨は一般的に円高(外貨安)になりやすいので、コイントスだと外貨に変わるリスクが高いと思います。

外国株式等を買う人にとっての損得勘定

普段住信SBIネット銀行で外貨を調達してSBI証券で外国株式等を買う人は、コイントスにより外貨で払い出されるリスクを受け入れられる人だと思います。
しかしそれでもコイントスはあまり有利ではないように思います。
外国株式等を買うなら円高(外貨安)の時に外貨を調達できた方がお得です。
外貨安のほうが同じ金額でたくさんの外貨を手に入れられます。

コイントスにより円で払い戻されると、預け入れたときより円安になります。満期直後に普通預金で外貨を調達する場合、コイントス預け入れ時と比べて外貨を少ししか調達できません。
コイントスにより外貨で払い戻されると約1か月前のレートが適用されるので、コイントスに預けずに1か月待って外貨に換えた方がより多く外貨を調達できることになります。

強いてメリットを挙げるとすれば、為替手数料がかからないことです。
都市銀行のように1米ドル1円も手数料を取られるようだと、仕組預金を使えば手数料の節約になるでしょう。
しかし、住信SBIネット銀行だと1米ドル6銭*1と非常に安い(顧客に優しい)ので、手数料の節約はあまり気にしなくてよい(為替変動の影響のほうがはるかに大きい)でしょう。

もう一つ強いてメリットを挙げるなら、ドル転により意図的に為替差損を生じさせて、雑所得の申告を回避するとかですかね。

 

一体コイントスは誰得なのか、複雑すぎて、今のところ私は理解できていません。

*1:記事公開時は4銭でしたが、2022年7月に手数料が改定されましたので、修正。

【訂正】外貨預金における為替コスト改定のお知らせ | お知らせ | NEOBANK 住信SBIネット銀行