VTの中身をのぞいてみる
VTとは
Vanguard Total World Stock ETF（以下VT）という上場投資信託（ETF）があります。
VTはFTSE Global All Cap Indexへの連動を目指します。
この指数は約49の先進国及び新興国の大中小型の上場株式約8千銘柄を対象としており、時価総額の約98%を網羅しています。
VTに投資すれば、これ以上ないほど徹底的に世界中の株式に分散投資ができます。
この指数はここ1年でいろいろと変化がありました。
VTの半期報告書が公開されたので、指数の変化がVTに反映されているか見ていきます。
https://investor.vanguard.com/etf/profile/VT
中国A株の組み入れ
2019年6月から2020年3月にかけて中国A株が指数に段階的に組み入れられました。
A株が本土市場の人民元建て、B株が本土市場の外貨建て、H株が香港市場の株式です。
https://zuuonline.com/archives/79041
VTの半期報告書の"Schedule of Investment"のChinaにClass Aと表記されている銘柄がA株です。
ちなみに、中国A株だけに投資するETFとして、「iシェアーズ・コア CSI 300 ETF」（上位300銘柄）、「One ETF 南方 中国Ａ株 CSI500」（上位300銘柄を除く、次の500銘柄）があります。
Ｏｎｅ ＥＴＦ 南方 中国Ａ株 ＣＳＩ５００｜ファンド情報｜アセットマネジメントOne
これらのETFの上位10銘柄のほとんどがVTにも組み入れられています。
VTにはClass B, Class Hと表記されている銘柄もあることから、B株、H株も組み入れられているとわかります。
サウジアラビアの組み入れ
2019年3月から2020年3月にかけてサウジアラビアがFTSE Global All Cap Indexの組み入れ対象になりました。
VTでは0.3%組み入れられています。
さらに2019年12月には世界最大の時価総額を持つサウジアラムコが上場しました。
VTの半期報告書ではSaudi Arabian Oil Co.と表記されています。
サウジアラムコの株式のほとんどはまだ政府が持っているため、VTの中に占める割合はわずか0.02%です。
今後の動向：J-REIT
日本の不動産投資法人（J-REIT）が2020年9月から2021年6月にかけてFTSEの指数に組み入れ予定になっています。
現在J-REITとVTの両方に投資している場合、いずれJ-REITに二重に投資することになりますので、資産配分を再検討するとよいかもしれません。
残り2%は何？
FTSE Global All Cap Indexは時価総額の約98%を網羅しているわけですが、残りは超小型株（先進国と新興国）とほんのちょっとのフロンティア株になります。
日本ではマザーズ市場銘柄などが超小型株に該当します。例えば、メルカリはVTには入っていません。
フロンティアはベトナム、バングラデシュなどです。
マザーズに投資したい方は、東証マザーズETF（2516）、フロンティア国に投資したい方は、iシェアーズ MSCI フロンティア 100 ETF（FM）が候補にあがると思います。
FMの採用している指数はFTSEではなくMSCIですが、対象国はほとんど同じです。
