インデックス投資家の間では、地域の比率をどうするかが熱く議論されます。
米国株だけがいいのか、全世界株がいいのかがここ最近よく議論されています。
日本、先進国(日本除く)、新興国の配分をどうするかも長く議論されています。
3地域の配分を、均等比率、時価総額比率、GDP比率にするなど、いろいろな案が考えられています。
しかし、こちらの記事で指摘されているように、今や地域間の相関係数が非常に高く、地域間の配分比を考えることが以前ほど重要ではなくなってきています。
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コロナショックで気づかされたことは、セクター(業種)によって株価の推移は大きく異なるということです。
株価指数は国別だけでなくセクター別にも設定されており、セクター別のETFもあります。
下図はコロナショック直前(2020年2月21日)からの世界の株価をセクター別に見たものです。
一番下を這っているIXCと書かれた青色の線は世界のエネルギーセクターのETFであり、未だにコロナショックから立ち直っていません。
一方、IXNと書かれた緑色の線は情報技術セクターを表しており、2020年3月に下げたあと、一本調子で右肩上がりです。
かようにセクター別に明暗が分かれています。
この記事ではセクター別のETFを一覧表でまとめます。
目次
一覧表
投資対象 | 世界大型株 | アメリカ大型株 | アメリカ大中小型株 | 日本株 |
---|---|---|---|---|
親指数 | S&P Global 1200 | S&P500 | MSCI US IMI 2500 | TOPIX |
運用会社 (ETFブランド) |
BlackRock iShares |
SSGA SPDR |
Vanguard | 野村 NEXT FUNDS |
Energy エネルギー (石油精製…) |
IXC | XLE | VDE | 1618(エネルギー資源) |
Materials 素材 (化学、金属、製紙…) |
MXI | XLB | VAW | 1620(素材・化学) 1623(鉄鋼・非鉄) |
Industrials 資本財 (建設、機械、流通、運輸…) |
EXI | XLI | VIS | 1619(建設・資材) 1624(機械) 1628(運輸・物流) 1629(商社・卸売) |
Consumer Discretionary 一般消費財 (自動車、耐久消費財、小売…) |
RXI | XLY | VCR | 1622(自動車・輸送機) 1630(小売) |
Consumer Staples 生活必需品 (食品、日用品…) |
KXI | XLP | VDC | 1617(食品) |
Health Care ヘルスケア (医薬品…) |
IXJ | XLV | VHT | 1621(医薬品) |
Financials 金融 (銀行、保険…) |
IXG | XLF | VFH | 1615/1631(銀行) 1632(金融(除く銀行)) |
Information Technology 情報技術 (ソフトウェア、コンピューター、半導体…) |
IXN | XLK | VGT | 1625(電機・精密) |
Communication Services コミュニケーションサービス (通信、メディア…) |
IXP | XLC | VOX | 1626(情報通信・サービスその他) |
Utilities 公益事業 (電力、ガス…) |
JXI | XLU | VPU | 1627(電力・ガス) |
Real Estate 不動産 (デベロッパー、REIT…) |
なし(RWO?) | XLRE | VNQ | 1633(不動産) |
全業種 | なし(ACWI?) | SPY | なし(VTI?) | 1306 |
補足説明
上の表で言いたいことはほとんど網羅しているので、この先の記述は重要ではありません。
世界の大型株のセクターETF
世界の大型株に関するセクターETFはブラックロックが出しています。
S&P Global 1200をセクター別に切り分けたETFとなっています。
ただし、S&P Global 1200の不動産セクターのETFはありません。
別の指数かつ他社のETFになりますが、RWO*1が類似のETFと思われます。
また、親指数であるS&P Global 1200のETF(全業種を網羅するもの)はありません。
ACWI(こちらはMSCIの指数を使用)が一番近いと思います。
IX?または?XIというティッカーコードになっていますが、?が必ずしもセクター名と関係ないので、正直覚えにくいです。
例えば、エネルギー ("E"nergy) セクターはIX"E"ではなくIX"C"です。
アメリカの大型株のセクターETF
ステートストリートは、S&P500(アメリカの大型株)のセクター別ETFを出しています。
XLで始まるよう統一されていますが、3文字目がやはりセクター名とは関係ありません。
アメリカの大中小型株のセクターETF
バンガードは、アメリカの大型から小型までを網羅するMSCI US IMI 2500*2のセクター別ETFを出しています。
親指数であるMSCI US IMI 2500(全セクターを網羅したもの)に連動するETFはなく、VTIが一番近いと思います。
セクターの定義
これら3社のセクター別ETFは、MSCIとS&Pが共同開発したGICS(世界産業分類基準)という業種分類に基づいています。
第一次産業(農業)、第二次産業(工業)、第三次産業(サービス業)という古典的な分け方ではありません。
例えば、GICSでのIndustrials(資本財)には建設、機械、流通、運輸などが含まれ、第二次産業と第三次産業が混在しています。
また、REITは不動産セクターの一つと位置付けられます。
日本株のセクターETF
野村アセットマネジメントは、TOPIX(日本株)を17業種に切り分けたETFを出しています。
TOPIX-17はGICSとは違う分け方になっており、上の表では私の独断でGICSに一番近いとおぼしきセクターに「えいや」と割り振っています。
参考資料
GICS(世界産業分類基準)
GICS®:世界産業分類基準 | S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス
GICSのやさしい解説
GICS業種分類の調べ方と特徴(2016年と2018年の変更、癖のある業種) - 儲からない投資の知識
S&P Global 1200指数
S&Pグローバル1200指数 | S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス
MSCI US IMI 2500
US equity indexes - MSCI
BlackRock iShares ETF一覧
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SSGA SPDR ETF一覧
日本 ファンド一覧 | SPDR
Vanguard ETF一覧
https://investor.vanguard.com/etf/list/
野村 NEXT FUNDS ETF一覧
銘柄一覧 | NEXT FUNDS
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