コロナショックから1ヶ月を振り返る
アメリカの株式市場の大型株の値動きをとらえるS&P500指数は2020年2月19日に史上最高値を更新しました。
ところが、そのわずか1週間後の2月25日には恐怖指数と呼ばれるVIXが一時30に達しました。
その後VIXはぐんぐん上昇し、3月16日にはリーマンショックの時の値(80.86)を超え、18日には史上最高値となる85.47を叩き出しました。
VIXの本日の終値は46.80で、ピークは過ぎたものの依然高い水準です。
さて、VIXは今後1か月のS&P500指数の予想変動率を年率換算で表します。
月率に換算するにはルート12(約3.46)で割ります。
例えば、VIXが30なら、値動きが年率30%(月率8.7%)を超える確率は32%(100日のうち32日)未満ということになります。また、変動率がその2倍の年率60%(月率17.3%)を超える確率は5%未満ということです。
天気予報で降水確率が30%以上だと傘を持っていく目安と言われています。それになぞらえれば、2月25日時点では1か月で8.7%より下がる心配はあまりしなくていいと予想されていたと読み取れます。
ところが、S&P500は2月25日から3月25日の間に21%も下落しました。2月25日時点で5%未満の確率で想定していた(要はめったにおこらない)ことが起きてしまったのです。
現時点でVIXは高水準にあり、引き続き警戒が必要です。
特に今回のコロナショックは長引きそうな気がします。
東南アジアでも感染例が見られることから、夏になっても収束しない可能性が捨てきれないと思います。
1~3月期のひどい企業業績や経済指標が4月以降に公表されて、一段と下げるとどなたかがおっしゃっていましたが、それに納得します。
最後に、VIXを月率で表記したほうが直感的にわかりやすいだろうと思うので、早見表を載せます。
VIXの値をルート12(約3.46)で割っただけです。
VIX |
月次予想変動率 |
10 |
2.9% |
11 |
3.2% |
12 |
3.5% |
13 |
3.8% |
14 |
4.0% |
15 |
4.3% |
16 |
4.6% |
17 |
4.9% |
18 |
5.2% |
19 |
5.5% |
20 |
5.8% |
21 |
6.1% |
22 |
6.4% |
23 |
6.6% |
24 |
6.9% |
25 |
7.2% |
26 |
7.5% |
27 |
7.8% |
28 |
8.1% |
29 |
8.4% |
30 |
8.7% |
31 |
8.9% |
32 |
9.2% |
33 |
9.5% |
34 |
9.8% |
35 |
10.1% |
36 |
10.4% |
37 |
10.7% |
38 |
11.0% |
39 |
11.3% |
40 |
11.5% |
41 |
11.8% |
42 |
12.1% |
43 |
12.4% |
44 |
12.7% |
45 |
13.0% |
46 |
13.3% |
47 |
13.6% |
48 |
13.9% |
49 |
14.1% |
50 |
14.4% |
51 |
14.7% |
52 |
15.0% |
53 |
15.3% |
54 |
15.6% |
55 |
15.9% |
56 |
16.2% |
57 |
16.5% |
58 |
16.7% |
59 |
17.0% |
60 |
17.3% |
61 |
17.6% |
62 |
17.9% |
63 |
18.2% |
64 |
18.5% |
65 |
18.8% |
66 |
19.1% |
67 |
19.3% |
68 |
19.6% |
69 |
19.9% |
70 |
20.2% |
71 |
20.5% |
72 |
20.8% |
73 |
21.1% |
74 |
21.4% |
75 |
21.7% |
76 |
21.9% |
77 |
22.2% |
78 |
22.5% |
79 |
22.8% |
80 |
23.1% |
81 |
23.4% |
82 |
23.7% |
83 |
24.0% |
暗算で計算するならVIXの値に0.3倍すると大雑把に月の変動率に換算できます。
例:VIXが30なら、月次変動率はおよそ9%
参考資料
金融市場2012年7月号 市場の緊張を表す恐怖指数「VIX」
https://www.nochuri.co.jp/report/pdf/f1207kk1.pdf