dice play

インデックスファンド、米国ETFを中心に、日米の個別株にもちょこちょこ投資(サイコロ遊び)をしています。

物価連動国債が上昇中

 

スタグフレーション*1への備えとして、物価上昇率に応じて元本が増える「物価連動債」へも投資対象を広げるという考え方を紹介する記事が日経ヴェリタスに載っていました。

www.nikkei.com

 

最近の物価の上昇により、普通の国債より良い投資成績を挙げている、物価連動国債について調べてみました。

 

目次

 

日本の物価連動国債の値動き

「eMAXIS 国内物価連動国債インデックス」は日本で唯一の物価連動国債インデックスファンドです。
このファンドは2020年11月以降、上昇基調が続いています。
一方、国内の債券に投資する「eMAXIS 国内債券インデックス」は同じ期間下落基調です。

国内物価連動国債と国内債券の値動きの比較

下図は日本の消費者物価指数*2の前年同月比を示します。2022年4月から上昇基調です。

日本の消費者物価指数の前年同月比*3

 

アメリカの物価連動国債の値動き

アメリカの物価連動国債、通常の国債消費者物価指数

上図の黄色の線はアメリカの消費者物価指数(コア)の前年同月比を表しており、2021年4月から物価が上昇しています。

オレンジの線はアメリカ国債ETFであるGOVTの価格*4です。2020年7月から下落基調です。

青い線はアメリ物価連動国債ETFであるTIPの価格*5です。2021年12月までは(GOVTが下落していたにもかかわらず)物価上昇の効果もあり上昇基調でした。それ以降は下落基調です。

TIPの下げはGOVTよりはマシであることがわかります。

 

 

物価連動国債ファンドのまとめ

物価連動国債ファンドは非常に希少です。SBI証券で買えるファンドを紹介します。

日本の物価連動国債

日本の物価連動国債を投資対象とするファンドは4つしかありません。

日本の物価連動国債を投資対象とするファンドの分配金再投資基準価額の推移

 

MHAM物価連動国債ファンド(未来予想)|ファンド情報|アセットマネジメントOne

日本の物価連動国債を投資対象とする、現存する最古のファンド。2004年6月に設定。
形式上はアクティブファンドですが、値動きは「eMAXIS 国内物価連動国債インデックス」とほとんどかわりません。
総経費率は0.44%
月報に基準価額の変動要因が載っており、参考になるかもしれません。
純資産総額が最大です。

 

東京海上セレクション・物価連動国債(愛称:うんよう博士) | 東京海上アセットマネジメント

2004年11月設定と古参ですが、純資産総額が4つのファンドの中で最小です。(2022年10月現在、33億円)
総経費率は0.28%で最安です。
eMAXIS 国内物価連動国債インデックス」を上回るパフォーマンスを挙げています。

 

日本物価連動国債ファンド / 大和アセットマネジメント株式会社

2013年設定。
総経費率は0.43%。
純資産総額は「未来予想」に次いで、二番手。
eMAXISをアウトパフォームしています。
2028年に運用を終了する予定です。(延長の可能性あり。)他のファンドの信託期間は無期限です。

 

eMAXIS 国内物価連動国債インデックス | eMAXIS

2014年設定で、最後発。
日本の物価連動国債を投資対象とする、唯一のインデックスファンドです。
総経費率は0.44%
このファンドと「eMAXIS 国内債券インデックス」を同時に同額買うと、普通の債券との値動きの違いが体感できます。

 

日本の物価連動国債ファンドの純資産総額

上の図はこれら4ファンドの純資産総額を示します。2013年10月に物価連動国債の設計が変わったことをきっかけに、かなりの資金流入があったものの、その後尻すぼみになりました。2022年に入り、日本でも物価が上がり始めたことから、また資金が流入しています。

 

アメリカの物価連動国債

アメリカの物価連動国債を投資対象とするETFは2つあります。

iシェアーズ 米国物価連動国債 ETF

経費率は0.19%
保有資産の半分は残存年数が5年未満の債券です。
ティッカーのTIPはTreasury Inflation-Protected Securities(財務省物価連動証券)からきているのだと思います。

TIPの残存年数(2022年10月6日現在)

 

  • バンガード 米国短期インフレ連動債ETF(VTIP)

Vanguard Mutual Fund Profile | Vanguard

経費率は0.04%
残存年数が5年未満の債券のみを対象とします。
バンガードのVがティッカーに含まれています。

TIPよりもさらに値動きを抑えた運用をしたい場合に使うようです。
資産を取り崩している人が、なるべく資産を保全するために使うETFといったところでしょうか。日本人にとってはあえて為替リスクをとりに行く必然性がないように思います。

 

TIPとVTIPの値動き(米ドル建て、分配金再投資終値)は下図の通りです。2022年に入り急落しています。これは政策金利の上昇が影響していると思われます。

アメリカの物価連動国債を投資対象とするETFの値動き(分配金調整済み終値、米ドル建て)

 

日米の物価連動国債の値動きの違い

米ドル建てのTIPとVTIPの価格は2022年に入ると急落しましたが、円換算した価格は2022年も右肩上がりです。円安ドル高の進行を反映しています。

 

「円換算の」アメリカの物価連動国債を投資対象とするETFの値動き(分配金調整済み終値

 

下図は、「eMAXIS 国内物価連動国債インデックス」と「iShares 米国物価連動国債ETF」(TIP)の値動きを示します。TIPは円換算しており、分配金を再投資した価格です。*6

2019年から日米の差が開いてきています。

物価連動国債ファンドの日米比較(円換算)*7

高金利通貨は通貨安になりやすいというセオリー通りなら、今後円高ドル安が進んで、アメリカの物価連動国債のパフォーマンスは日本の物価連動国債なみに収れんするかもしれません。(もちろん、他にも物価連動国債の値動きに影響する要因はあると思います。)

 

まとめ

最近の物価の上昇により、物価連動国債普通の国債より良い投資成績を挙げています。

日本の物価連動国債に投資する場合、インデックスファンドであれば「eMAXIS 国内物価連動国債インデックス」一択です。アクティブファンドであれば、総経費率が低く、投資成績の良い「うんよう博士」か、純資産総額の大きい「未来予想」が良さそうです。

アメリカの物価連動国債に投資する場合、為替リスクを伴うことに留意が必要です。物価連動国債に関心のある方は安全志向が強いと思うので、あえて為替リスクをとる必要があるかは疑問です。

 

 

 

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*1:物価上昇と景気後退が同時に起きること

*2:生鮮食品を除く。季節調整なし。

*3:出所:総務省

*4:分配金調整済み

*5:分配金調整済み

*6:eMAXIS 国内物価連動国債インデックス」は分配金を出したことがないので、利子がファンド内で再投資されています。

*7:三菱UFJ国際投信Yahoo Finance USみずほ銀行の資料をもとに作図