dice play

インデックスファンド、米国ETFを中心に、日米の個別株にもちょこちょこ投資(サイコロ遊び)をしています。

Global X MLP ETF (MLPA) の評価

 

SBI証券がGlobal X MLP ETF (MLPA)の取り扱いを2022年10月7日(金)より開始しました。
MLPAは日興アセットマネジメントの「インデックスファンドMLP」より優れていると思います。

 

目次

 

MLPへのインデックス投資の方法

これまでMLPインデックス投資をするには、「インデックスファンドMLP」しか選択肢がありませんでした。
以前に「インデックスファンドMLP」のレビュー記事を書きましたので、興味のある方はご覧ください。(MLPについてもざっくり説明しています。)

dice.hatenadiary.jp

 

MLPAは新たな選択肢となります。MLPAはSolactive MLP Infrastructure Indexへの連動をめざしています。

globalxetfs.co.jp

 

「インデックスファンドMLP」とMLPAの比較

指数との連動性

「インデックスファンドMLP」はS&P MLP 指数への連動をめざすとうたっています。しかし、実態はAlerian MLP Infrastructure 指数への連動をめざすETFを多く保有しており(2022年8月末現在65%)、厳密にS&P MLP 指数への連動を目指しているようには見えません。

しかも、月報を見ると、2016年以降S&P MLP 指数から著しく下方に乖離しています。設定日から2022年8月末までの、8年弱の乖離率は年率換算で -1.96%になります。

「インデックスファンドMLP」の基準価額の推移*1

一方、MLPAについて、2017年9月から2022年9月末までの5年間*2の乖離率は年率換算で -0.46%になります。


経費率

「インデックスファンドMLP」の総合経費率は1.9%程度です(筆者推計)。
投信の経費に加え、投資先のETFの経費もかかるため、これだけ高くなっています。

一方、MLPAの経費率は0.45%です。
MLPAのほうが1.5ポイント程度安いことになります。

SBI証券の場合、MLPAの売買には0.495%(税込)の手数料がかかります。
MLPAを買ってすぐ売ると売買手数料が高くつくので、短期保有であれば「インデックスファンドMLP」のほうが割安です。

ところが、MLPAを9か月以上保有するとコストが逆転します。
下図に、「インデックスファンドMLP」とMLPAをそれぞれ1,000 USD相当額購入した場合に、経費がいくらかかるかをシミュレーションした結果を示します。*3
9か月目に経費が逆転していることがわかります。

「インデックスファンドMLP」とMLPAにかかる経費のシミュレーション

 

値動き

「インデックスファンドMLP」もMLPAも似通った値動きをしています。

「インデックスファンドMLP」とMLPAの値動きの比較*4

 

配当の扱い

MLPAは配当が再投資されず、分配金として払い出されます。「インデックスファンドMLP(毎月分配型)」も同様です。
「インデックスファンドMLP(1年決算型)」はこれまで分配金が払い出されていないため、配当が再投資されてきました。(当たり前ですね。)

 

まとめ

これまでMLPのインデックスファンドに投資するには、日興アセットマネジメントの「インデックスファンドMLP」が唯一の選択肢でした。
しかし、「インデックスファンドMLP」は、コストが高くて指数との連動性も悪く、インデックスファンドとしては致命的な問題を抱えています。
このたび、Global X MLP ETF (MLPA)の取引がSBI証券で可能になりました。
MLPAは、低コストで指数との連動性も良い、優れた商品だと思います。
「インデックスファンドMLP」の優位性を強いて挙げれば、円で取引できる、口数ではなく金額で売買できる、取引できる証券会社が多い、1年決算型であれば配当が投信内部で自動的に再投資される、といったところでしょうか。(これらは国内の投信の一般的な特長であり、「インデックスファンドMLP」特有の特長ではありません。)
私はこれまで「インデックスファンドMLP(1年決算型)」を持っていましたが、MLPAに乗り換えました。

 

新規買付停止(2023年8月29日追記)

SBI証券によると、MLPAは「Partership(パートナーシップ)に該当するため、本銘柄を2022/12/5以降新規買付停止とさせていただきます。」*5とのことです。

「インデックスファンドMLP」一択となりました。

 

 

 

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金融・投資ランキング

*1:出所:日興アセットマネジメント

*2:途中で連動目標とする指数を変えたことから、設定来にはしませんでした。

*3:ファンドの基準価額と為替レートがずっと変わらないと仮定しています。「インデックスファンドMLP」の購入時手数料はかからないと仮定しています。
MLPAは売却手数料も含まれています。例えば、MLPAの9か月目の棒グラフは、9か月目にMLPAを売却し、手数料を払う想定です。

*4:日興アセットマネジメントより取得した基準価額、Yahoo Finance USより取得した分配金再投資終値みずほ銀行より取得した為替レートをもとに作図

*5:米国株式注意銘柄