QYLDとQQQを比べる
QYLDをSNSで見かけるようになりました。10%を超える分配金利回りの高さが一部の個人投資家を魅了しているようです。普通にNASDAQ100インデックスファンドを買って定期的に取り崩すのと比べた、QYLDの優位性が見出せませんでした。
QYLDはNASDAQ100に対してカバードコール戦略を行うETFです。QYLDのQはNASDAQのQ、YLDはyield(利回り)からきているのかなあと推測します。私はオプション取引を経験したことがないので、カバードコールとは何かの説明は避けさせていただきます。
QQQはNASDAQ100指数への連動を目指すETFです。
globalxetfs.co.jp
www.invesco.com
下図はQYLDとQQQの分配金調整済み価格を示します。
2021年に入ってQYLDの出来高が増えており、ここ一年で人気が出たことがうかがえます。
QYLDの価格はQQQから大きく水をあけられています。
下表はQYLDとQQQの基本情報を示します。
項目 | QYLD | QQQ |
分配金利回り | 11.80% | 0.46% |
純経費率 | 0.60% | 0.20% |
純資産(億ドル) | 59 | 2,152 |
設定来分配金再投資リターン(年率) | 9% | 22% |
設定来標準偏差(年率) | 11% | 16% |
シャープレシオ | 0.81 | 1.27 |
出所 分配金利回り、純経費率、純資産:Yahoo Finance (US)、それ以外:Portfolio Visualizer
2021/01/16閲覧
QQQの分配金利回りが1%に対して、QYLDは11.80%と驚異の高さになっています。
QYLDの経費率は0.6%とやや高めですが、仕組みが複雑なわりには安いかなという印象です。
QQQとQYLDのリターンの差は13ポイント(22%-9%)で、経費率の差は0.4ポイント(0.6%-0.2%)なので、リターンの差はコスト要因よりもカバードコール戦略によるところが大きいように見受けられます。値上がりの期待が高いNASDAQ100に投資するのに、カバードコール戦略により値上がり益を放棄する形になっており、良い投資戦略なのか首をかしげます。
QYLDの純資産は、投資家層が限られることもありQQQに及びません。
QYLDのシャープレシオはQQQより低く、投資効率が劣ります。
QYLDに手を出すよりも、NASDAQ100インデックスファンドを一括で買って、定期的に取り崩すほうが理にかなっているように思います。楽天証券やSBI証券には投資信託の定期売却サービスがありますので、それを活用すれば取り崩しの手間がかかりません。
例えば、iFreeNEXT NASDAQ100インデックスを一括で100万円買って、毎月1万円ずつ売却する設定にすれば、年利回り(=年間の売却金額/投資元本)は12%となり、QYLD並みの利回りが得られます。
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