PFFDはPFFの縮小コピー
SBI証券、楽天証券、マネックス証券の外国株式口座では、PFFとPFFDというETFを買うことができます。
PFFとPFFDの投資対象はアメリカの市場で発行される優先株です。
PFFDの保有銘柄のほぼすべてがPFFにも含まれていることがわかりました。
PFFDはいわばPFFの縮小コピーです。
優先株の説明は例えばこちらが参考になります。
iシェアーズ 優先株式 ＆ インカム証券 ETF（PFF）を例に米国優先株式を分かりやすく説明 - ファイナンシャルスター
PFFとPFFDの概要は以下の通りです。
PFF
名称：iShares Preferred and Income Securities ETF
連動目標：ICE Exchange-Listed Preferred & Hybrid Securities Index
経費率：0.46%
設定日：2007/03/26
銘柄数：507（2021/09/30現在）
PFFD
名称：Global X U.S. Preferred ETF
連動目標：ICE BofAML Diversified Core U.S. Preferred Securities Index
経費率：0.23%
設定日：2017/09/11
銘柄数：258（2021/09/30現在）
グローバルＸ 米国優先証券 ETF | Global X Japanについて
PFFは2007年に設定されましたが、PFFDは2017年に設定された後発のETFです。
PFFDの経費率はPFFの半分で、格安です。PFFDの銘柄数がPFFのおよそ半分になっているのが、経費率の安さの理由かと推測しています。
PFFとPFFDとでどの程度保有銘柄の重複があるか調べてみました。PFFとPFFDの運用会社のウェブサイトでは保有銘柄一覧をダウンロードできます。一覧の各銘柄にはSEDOLまたはISINという規格に基づく記号が振られています。この記号をもとに銘柄の重複を調べた結果は下図の通り。
PFFDの99%はPFFに含まれます。（PFFの67%はPFFDと同じ銘柄）
（なお、このパーセンテージは銘柄数ではなく純資産額に対する比率です。）
PFFDの組入銘柄のほぼすべてはPFFに含まれています。PFFのほうがより幅広く分散されています。
ちなみにPFF、PFFDともにCWBというETFとも一部銘柄が重複しています。CWBはアメリカの転換社債に投資するETFです。これは、PFFもPFFDもConvertible preferred stocks（上図では「転換株式」と表記）を投資対象に含むからです。
CWB
名称：SPDR Bloomberg Barclays Convertible Securities ETF
連動目標：Bloomberg US Convertible Liquid Bond Index
経費率：0.40%
設定日：2009/04/14
SBI証券、楽天証券、マネックス証券で購入可能
CWB: SPDR® ブルームバーグ・バークレイズ・コンバーチブル債券 ETF
CWBの18%はPFFに含まれます。（PFFの23%はCWBと同じ銘柄）
CWBの10%はPFFDに含まれます。（PFFDの18%はCWBと同じ銘柄）
下図はPFF、PFFD、CWB価格の推移を示します。
PFFとPFFDは組入銘柄の多くが重複するので、ほとんど同じ値動きになります。
PFF (PFFD)とCWBは重複が2割程度に限られるので、値動きは異なります。
注：上段は配当調整済み価格、対数目盛、月足。中段はPFFとPFFDの12か月相関係数の推移。下段はPFFとCWBの12か月相関係数の推移。
PFFとPFFDのどちらを選ぶかですが、経費率の低さを重視するならPFFD、分散投資を重視するならPFFです。また、PFF（またはPFFD）に加えてCWBを持つとさらに分散投資になると思います。
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