dice play

インデックスファンド、米国ETFを中心に、日米の個別株にもちょこちょこ投資(サイコロ遊び)をしています。

「優先株ETFファンド」の評価(PFF関連銘柄)

アセットマネジメントOneが「優先株ETFファンド」という投資信託を出しています。
このファンドは米国に上場している優先株ETFであるPFF、PGX、PGFに投資します。
SBI証券では外国株式口座でPFFを買えますが、PGXとPGFを買えません。
優先株ETFファンドを通してPGXとPGFに投資する価値はあるのか検討してみました。

優先株とは

優先株(優先証券)は、株式と債券の中間的な性質を持つ証券です。弁済順位(発行体が破綻した際の資金の返済の順位)が普通株式より高く、普通社債より低くなっています。そのため、普通社債より高い利回りになります。債券に似て、議決権がありません。

詳しくはファイナンシャルスターの解説を参照してください。
iシェアーズ 優先株式 & インカム証券 ETF(PFF)を例に米国優先株式を分かりやすく説明 - ファイナンシャルスター


優先株ETFファンドとは

優先株ETFファンドは、米国に上場している優先株ETFであるPFF、PGX、PGFに投資するファンドです。
優先株ETFファンド(毎月分配型・ヘッジあり)|ファンド情報|アセットマネジメントOne

優先株ETFについては、規模、流動性、利回り水準、参照する優先株指数の差異などを総合的に判断し、銘柄およびその配分比率を決定します。」
というのが目論見書の建前です。
しかし、直近五年分の運用報告書をみると、この間ずっと、三種類のETFにほぼ三分の一ずつ均等配分しています。

毎月分配型で、為替ヘッジをかけます。運用管理費用(信託報酬)は税込み1.1%です。
三大ネット証券では、SBI証券楽天証券で購入可能です。
組み入れているETFの詳細は以下の通りです。

PFF
名称: iShares Preferred and Income Securities ETF
連動目標: ICE Exchange-Listed Preferred & Hybrid Securities Index
設定日: 2007/03/26
経費率: 0.46%
SBI証券取り扱い: あり
iシェアーズ 優先株式 & インカム証券 ETF

PGX
名称: Invesco Preferred ETF
連動目標: ICE BofAML Core Plus Fixed Rate Preferred Securities Index
設定日: 2008/01/31
経費率: 0.52%
SBI証券取り扱い: なし
Invesco | Product Detail | Invesco Preferred ETF

PGF
名称: Invesco Financial Preferred ETF
連動目標: ICE Exchange-Listed Fixed Rate Financial Preferred Securities Index
設定日: 2006/01/12
経費率: 0.61%
SBI証券取り扱い: なし
Invesco | Product Detail | Invesco Financial Preferred ETF


PFF、PGX、PGFの組み入れ銘柄の重複

これら三種類のETFの違いを調べるために、各運用会社のウェブサイトから銘柄一覧をダウンロードしてきました。(2021年9月30日時点)
各組み入れ銘柄には、ISINという規格に基づく固有の記号が振ってあるので、この記号を元にどれくらい重複があるか調べてみました。
結果は次の通り。

PGFの組入銘柄の96%はPGXにも含まれる。(PGXに占める割合は55%)
PGXの96%はPFFにも含まれる。(PFFに占める割合は57%)
PGFの98%はPFFにも含まれる。(PFFに占める割合は31%)

注:上記のパーセンテージは銘柄数の比率ではなく評価金額(Market value)の比率

これを図示すると以下の通り。

f:id:NKay:20211002131121p:plain
優先株ETFPFF、PGX、PGF)の銘柄重複


つまり、PGFの組み入れ銘柄のほぼすべてはPGXに組み入れられており、PGXの組み入れ銘柄のほぼすべてはPFFにも組み入れられています。
また、PFFにはPGXやPGFに組み入れられていない銘柄が43%あります。


下図はこれら三種類のETFの分配金込み価格の推移を示します。組み入れ銘柄の重複が多いため、ほとんど同じ値動きをしています。

f:id:NKay:20211002131714p:plain
優先株ETFPFF、PGX、PGF)の分配金込み価格の推移

PFF、PGX、PGFの指数は、ファクトシートが一般に公開されていないので、理解が難しいのですが、私の調べた範囲ではこのような理解をしています。
PGFとPGXは組み入れ銘柄を固定利率(fixed rate)の優先株に限定している一方で、PFFは変動利率(floating rate)も2割ほど含まれます。*1
PGFは発行体を金融機関に限定しているが、PGX、PFFは事業会社も含まれます。


優先株ETFファンドはPFF、PGX、PGFを三分の一ずつ持っています。これは、PGFの投資対象に三重に投資するということになります。
はっきり言って、PFFへの投資だけで十分であり、それに加えてPGXやPFFに投資する必要はないと考えました。

SBI証券楽天証券の外国株式口座でPGXとPGFを直接買うことはできません。
ポートフォリオの多様化の一環として、PGXとPGFに投資する優先株ETFファンドに関心を持ったのですが、PFFでほぼ捕捉できることがわかったので、優先株ETFファンドを買う必要はないと判断しました。

また、優先株ETFファンドの費用は割高に感じます。PFFの経費率は0.46%、優先株ETFファンドの運用管理費用(信託報酬)は税込み1.1%です。優先株ETFファンドの信託報酬がPFFの経費率並みでないと、割高に感じます。

優先株ETFファンドは2024年12月に償還が予定されています。

まとめ

優先株ETFファンド」は優先株に投資するファンドで、PFF、PGX、PGFという米国上場ETFをほぼ三分の一ずつ保有しています。これら三つのETFは投資対象がかなり重複しており、均等配分にする理由が見出せませんでした。PFFが最も広範に投資しており、あえてPGX、PGFにも投資する必要性は薄いと考えます。
また、優先株ETFファンドの信託報酬はETFの経費率の約2倍であり、割高です。




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