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インデックスファンド、米国ETFを中心に、日米の個別株にもちょこちょこ投資(サイコロ遊び)をしています。

超長期米国国債ETF:EDVとTLTの違い

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残存期間20年以上の米国国債に投資する、EDVとTLTというETFがあります。EDVはSTRIPS債、TLTは利付債に投資します。

 

目次

 

EDV

investor.vanguard.com

EDVはVanguard Extended Duration Treasury ETF(バンガード 超長期米国債ETF)のティッカーコードです。
ティッカーの覚え方はExtended Duration(超長期)Vanguard(バンガード)でしょうか。

ベンチマークBloomberg U.S. Treasury STRIPS 20–30 Year Equal Par Bond Index(ブルームバーグ米国STRIPS 20-30年均等額面債券指数)です。

EDVはSTRIPS債(ストリップス債)という少し変わった債券に投資します。
SMBC日興証券の用語集から説明文を引用します。

ストリップス債

 

利付債の元本部分とクーポン(利息)部分が分離され、それぞれの部分がゼロクーポンの割引債として販売される債券を指します。日本語では元本利子分離債と呼ばれます。利付債は通常、元本部分とクーポン部分で構成されますが、元本部分をこの利付債の償還日を満期とする割引債、各クーポン部分をその支払期日が満期の割引債として販売するものです。
ストリップス債は、“STRIPS = Separate Trading of Registered Interest and Principal of Securities”の略称(米国債市場での名称)です。

 

ストリップス債│初めてでもわかりやすい用語集│SMBC日興証券

 

専門用語が多いので、さらに用語集から引用します。

利付債は、定期的に利息が支払われる債券です。*1
ごく普通の債券です。

クーポンは、利付債に付いている利息です。*2
クーポン券(引換券)と同じ由来です。債券が紙で発行されていた時代に、金融機関にクーポンを持って行くと利息金と引き換えできたらしい。

割引債(ゼロ・クーポン債)は、利息が付かない代わりに、額面金額を下回る金額で発行され、償還日には額面金額が払い戻される債券です。*3
発行価格と額面金額の差額が利息に相当します。
例えば、償還時に100円を受け取れる債券を99円で売り出していれば、その差額の1円が利息に相当するというわけです。

 

なぜこんなややこしい債券があるのかというと、利付債だと利息の再投資のためにちょうどいい債券を見つけられない可能性がありますが、STRIPS債だとその心配がないからだそうです。*4

 

英語のstripに、はぎとるという意味があります。元本と利息を分離(strip)することにひっかけて、STRIPS債と名付けたのでしょう。

EDVは分配金が四半期ごとに出ます。STRIPS債は割引債なので定期的な利払いはなく、分配原資がよくわからないのですが、債券を一部売っているのかなと。

EDVの最終利回りは2.0%、
平均デュレーション金利感応度)は24.7年(2021年8月末現在)、
経費率は0.07%(2020年12月現在)です。

 

TLT

www.blackrock.com


TLTはiShares 20+ Year Treasury Bond ETFiシェアーズ 米国国債 20年超 ETF)です。
ティッカーの覚え方はTreasury(国債)Long Term(長期)でしょうか。

ベンチマークはICE US Treasury 20+ Year Index(ICE米国国債20年超指数)

こちらは利付債に投資します。

TLTは毎月分配金が出ます。
平均利回りは1.86%、実効デュレーションは19.19年(2021年9月16日現在)、経費率は0.15%(2021年6月現在)です。

 

ちなみにアメリカ債券全体に投資するBND, AGG, SPABというETFは残存期間が20年を超える利付債を十数パーセント含んでいます。TLTと重複があるということです。

BNDの保有銘柄一覧を見ましたが、STRIPS債は含まれていないようです。BNDとEDVに重複はなさそうです。

BND, AGG, SPABをすでに持っている場合、それに加えてTLTを持つ必要性はあまりないように思います。何か相場見通しがあって、超長期債のウェイトを重くしたいというのであれば別ですが。

 

EDVとTLTのチャート

EDVとTLT、それから参考までにBND(アメリカ総合債券ETF)、SPY(S&P500 ETF)の分配金再投資後のチャートを下図に示します。

図の上段のEDV(青線)とTLT(オレンジ線)の値動きは似通っていますが、長期的にはEDVのほうが値上がりしています。値動きが似ているのは、STRIPS債も元々は利付債なのかなと。

図の下段はEDVの12か月ボラティリティ(価格変動率)を表しています。20~40%程度で推移しており、S&P500指数並み(黄線のSPY)に高いと言っていいでしょう。EDVやTLTと比べるとBNDが平らに見えます。

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EDVとTLTの市場価格(分配金再投資)

 

STRIPS債を直接買う手も

以下の記事では、STRIPS債を直接買う方法が紹介されています。

 

www.itmedia.co.jp

www.americakabu.com

 

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