dice play

インデックスファンド、米国ETFを中心に、日米の個別株にもちょこちょこ投資(サイコロ遊び)をしています。

フジテレビの親会社、外資規制に違反 株を外国人用と日本人用に分けたらどうか?

f:id:NKay:20210410221801p:plain

 

民放キー局のフジテレビの親会社であるフジ・メディア・ホールディングス(4676)が一時期、外資規制に違反していたことがわかりました。*1

放送法では外国人投資家の議決権を2割未満にしなければならないとされています(第93条第1項第7号)。もし外国人投資家が2割以上になってしまったら、株主名簿への記載を拒否できることになっています(第116条)。2割以上のまま放置したら、総務大臣は認定を取り消さなければなりません(第103条)。

 

 

子会社化が背景

外国人投資家の議決権が20%に達してしまったのは、子会社化が背景にあるとみられます。
フジの4月5日の発表によると、

株式会社ディ・コンプレックスの株式の33.3%を保有する株式会社NEXTEPを従来の持分法適用関連会社から完全子会社にしました。その際、株式会社ディ・コンプレックスは当社の株式を50株保有しており、本来であれば同社の保有する当社株式は相互保有株式として議決権から控除すべきでしたが、当社の株主名簿の確定作業の中で適切に把握ができずにに過誤が生じておりました。

フジ・メディア・ホールディングス「当社の過年度における議決権の取り扱いに関する過誤について」PDF

とあります。このディ・コンプレックスの保有株を議決権から控除しなかったため、外国人投資家の議決権が20%以上になってしまったというわけです。

 

総務省外資規制を審査する能力がない

数週間前に東北新社の衛星放送関連子会社が、放送事業者としての認定を受ける当初から外資規制に違反していたことから、認定が取り消されることになりました。*2

しかし、本件は国会議員の質問で明らかになった*3もので、総務省が見つけたわけではありません。フジの場合も自己申告でした。

フジの認定は取り消されないそうです。東北新社の場合ははじめから事業者としての条件を満たしていなかったのでダメだが、フジの場合は総務省に報告した時点で是正されていたのでOKとのこと。なんか奇妙な論理に思えます。*4

 

株を外国人用と日本人用に分けるとどうなるか

外国人の議決権を2割未満にするために、メディア各社は少しややこしい計算をしています。

diamond.jp

Googleの親会社であるAlphabetは議決権のある株とない株を上場しています。これらは種類株と言われます。日本のメディアもこれにならって外国人用の株と日本人用の株を分けたらどうか。日本人しか買えない種類株を81%、外国人も買える種類株を19%発行すると、もう少し権利関係がすっきりするような気がします。

ただ、二種類の株価がかいりする可能性は大いにありえます。
また、現在の制度では、外国人は20%を超える分の議決権は持てないまでも、配当や売買差益を享受できます。日本人と外国人とを種類株で分けると、外国人が持てる株数が減るので、外国人には不利益が生じます。

ところで個人投資家が日本の証券会社でVT(全世界株ETF)を買って、間接的に日本株を持ったとき、日本人として認識されるかは微妙なところです。アメリカの信託銀行が管理するので、どちらかというと外国人として扱われる気がします。