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インデックスファンド、米国ETFを中心に、日米の個別株にもちょこちょこ投資(サイコロ遊び)をしています。

楽天・バンガード・ファンド、持っているETFの貸付を開始

楽天・バンガードファンド・ファンド」シリーズが貸付取引(レンディング)を始めます。

 

community.rakuten-toushin.net

 

ニュースの概要

ファンドが保有するETFを証券会社等に貸し付けることで品貸料を得て、パフォーマンスの向上を目指すというものです。
投資家にとってうれしいお知らせです。わざわざYouTubeで説明動画も出されています。

 

対象は株式のみに投資する以下の4ファンド。
楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)
楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天VT)
楽天新興国株式インデックス・ファンド(楽天VWO)
楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド(楽天VYM)

 

個人が米国ETFを貸すことはできなくはなかったのですが、やや制約があります。
米国ETFの貸株サービスを提供しているのはSBI証券だけで、楽天証券マネックス証券の口座保有者はレンディングができません。
SBI証券でもNISA預かりのETFは貸すことができません。(特定預かり、一般預かりのみ可)
品貸料は雑所得で、確定申告が必要です。配当金ではなく配当金相当額が支払われた場合も雑所得です。

 

楽天・バンガードファンド・ファンド」でのレンディングの開始により、SBI証券でなくても、NISA預かりでも、レンディングの恩恵(基準価額の上昇)を受けられます。雑所得扱いではないのもありがたいことです。レンディングはファンドの内部で行われるので、投資家が何か手続きをするは必要ないとのこと。

レンディングの成果も何らかの方法で公開することを考えているとのこと。楽天バンガードHEADSか運用報告書に載せていただきたいですね。

 

レンディング

わざわざお金を払ってETFを借りるのは誰なのか最初不思議に思いました。借りずに自分で買えばいいじゃないと。少し考えて、空売りしたい人に貸しているのだなと理解しました。
ちなみにVTIの空売り比率はこちらでみられます。

https://fintel.io/ss/us/vti

空売りの機会を与えると、市場価格が基準価額を上回ったときに、市場価格と基準価額のずれを抑えるように市場価格が下がる効果をもたらす要因になります。

No.46 意外なETF運用法=エコなETF運用法 | コラム もっと知りたいETF | ETF(上場投資信託)|日興アセットマネジメント

また、日本銀行ETFを貸し付けています。

アングル:日銀ETF貸付が4月開始、流動性向上に期待 東証は商品増へ | ロイター

 

目論見書の記述に変化

2月19日に更新された交付目論見書にもレンディングのことが追記されました。
少し気になったのはこちらの記述です。

貸付有価証券関連報酬:有価証券の貸付取引を行った場合は、投資信託財産の収益となる品貸料に0.55(税抜0.5)を乗じて得た額

これ、品貸料を投資家と金融機関(委託会社・受託会社)で半分ずつ山分けしましょうという意味と理解しました。これにより、運用報告書に記される「その他の費用」は見かけ上増えると私は推測しています。でも基準価額は投資家に配分される品貸料分上振れるので、トータルで見れば投資家に利益がもたらされます。

もう一つ気になった記述はこれです。

有価証券の貸付取引等において、取引先リスク(取引の相手方(レンディング・エージェントを含みます。)の倒産等により契約が不履行になる危険のこと)が生じる可能性があります。

これは、個別株の貸株のデメリットとして時々聞くのですが、実際に起こったという話を聞いたことがありません。可能性は低いが起きうるリスクとして頭の片隅に置いておくという感覚です。貸出先の多様化などによりリスク分散を図ることを期待したいです。

 

品貸料率はわずかなもの(たぶん0.01%とかそんなところだと思います。)でしょうが、インデックスファンドに起きている厳しい低コスト競争環境下では貴重な収益源です。

 

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